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恋愛

イノセントな百合『CAGE OF InnOCENCE』

宵待なつこ『CAGE OF InnOCENCE』 世界に二人だけの、密やかな毒薬《あい》 こんばんは、辰井圭斗です。昨年は「辰井講評窓口3」にご参加くださりありがとうございました。講評が大変遅くなってしまい申し訳ありません。こちらに講評を書きます。 イノセントな箱庭の中で互いに想いを懸けあう2人の少女の話。タグに耽美と書かれていますが、清潔感のある耽美で、それが単にシチュエーションだけでなく文章全 […]

年間1000作読む人が選ぶおすすめweb小説はこれだ【恋愛編】

おすすめのweb小説(恋愛)3選 こんにちは、辰井です。自己紹介をすると大体年間1000作web小説を読む人です。そんな人が独断と偏見でおすすめweb小説(恋愛)を選んでみました。恋愛には色んなかたちがあるけれど、BL編と百合編も作るので、今回はBLと百合ではない恋愛を描いた小説を選びました。それぞれの作品のリンクも貼るので是非読んでみてください。 姫乃只紫『安定限界』 【作品情報】 姫乃只紫『安 […]

あなたの背中が見える景色『安定限界』

姫乃只紫『安定限界』 彼女の胸のざわめきを少しでも落ち着かせることができるのなら、僕は。 “健全”な三角関係にはなれなかった少年少女の話。いっそバチバチやり合えたら良かったのにね。 読解難易度:NORMAL「学生時代好きな人がいたけど、あの人には自分より相応しい人がいるとか、これはLoveじゃなくてLikeかもとか、自分は今の立ち位置で満足してるとか、何かと自己を正当化する […]

手に残るネクタイと青春の清算『それでも、嫌いになれない。』

ミヤシタ桜『それでも、嫌いになれない。』 僕と彼は必然的に運命的に、近づきそして離れていった。 惰性的に生きるうちに、いつのまにか夕方になっていた。僕は、なんで生きているんだろうか。そんな考えに陥るたびに、僕は彼のことを思い出してしまう。 こんにちは、辰井です。先日は自主企画「辰井講評窓口3」にご参加くださりありがとうございました。こちらに講評を書きます。 ”惰性的に生きる”男が学生時代の想い人の […]

途中からびっくりするくらいドライ『好きなままで好きでいい』

猫柳蝉丸『好きなままで好きでいい』 叶わなくても、届かなくても、好きなままで好きでいい。――本当に? 秋の放課後、僕は幼馴染の千佳ちゃんに告白する。失恋すると、分かっていて。 こんにちは、辰井圭斗です。昨年は自主企画「辰井講評窓口2」にご参加くださりありがとうございました。すっかり遅くなってしまい申し訳ありません。こちらに講評を書きます。 振られると分かっている相手に告白して友達以上恋人未満の関係 […]

過去も現在もすべて彼の手に『私の後悔』

 武州人也『私の後悔』  葵の求愛を無下にしたその時、私の人生は全て無駄なものとなったのだ 刎頸の友、葵からの告白を断った私は、彼の息子に、それが過ちであったことを思い知らされる。  現在に交錯してくる過去と往時の選択にどうしようもなく縛られるBL。冒頭で示される東京タワーは葵との過去から現在に至るまで変わらずそびえ立ち印象的です。在りし日、葵がその赤い電波塔をつまみ上げたのも、ふざけ半分どこか象 […]

ご飯が美味しそうで美味しそうで――そして『鈴蘭記念日』

 佐倉島こみかん『鈴蘭記念日』  そっと口づければ、幸福の再来の味がした。 二人の特別な記念日には、美味しい料理と鈴蘭の花を食卓に。 ハッピーエンドはお好きですか?  この「ご飯が美味しそうだったで賞」を受け取ってください……優勝です……。ご飯描写だけで百万点なので、ぜひあのご飯を見るためだけにでも皆様に読んでいただきたいと思っています。空腹時に読んであまりのことに笑みが零れました。  そして美味 […]

A Story of Unreliable Narrator『ブレインダムド』

 草食った『ブレインダムド』  美化と欠落に飾られた思い出は、冗談のように舌触りがいい。 第一回神ひな川小説大賞応募用です これがおれのハッピーエンドだ 「信頼できない語り手」という小説・映画上の手法があるのですが、私はこの手法で書かれた物語が好きなんです。うまくいっていると、物語にいい意味で”揺れ”ができるというか複層的になるので。  ”私”の思い出はクリアなままなのでしょうか、それとも夫の溶け […]

幼く仄暗い性『桜の咲く頃、梅は散る』

 坂水『桜の咲く頃、梅は散る』  未熟な梅には毒がある。早過ぎた少年少女の早春・初恋・純不純文学 中学二年の年度末、幼馴染が親友に告白した。二人は付き合い始め、仲を深めてゆく。 けれど、僕は知っていた。桜より早く咲き、春を告げる清純な花の実には、毒があることを。(一万字強、短編)  特別いい作品を読むと世界が明るくなったような気がします。 いえ、私も書き手なので嫉妬なり焦りなりは抱えるべきはずのと […]