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詩・童話・その他

それが夢物語であっても『ひとつだけの本』

灰崎千尋『ひとつだけの本』 「貴方、自分自身のために文字を書こうという気は無いの?」 黒猫のシピとくらす、代書屋のおじいさん。 おじいさんはある日、「自分のためには文字を書かないの?」と問われますが…… こんにちは、辰井です。先日は自主企画「辰井講評窓口3」にご参加くださりありがとうございました。こちらに講評を書きます。 代書屋としてひたすら人のために文章を書いていたおじいさんが、猫のすすめに従っ […]

幻想を彷徨う『美術館』

 夕凪あすか『美術館』 さあ幻想の世界へ 海に浮かぶ美術館。青年は作品展を観賞しようと美術館に来ていたのだが、誰もいない。諦めて帰ろうとするが、外に出られない。困り果てた青年は〈名も無い人物〉の作品展を観賞しながら、美術館の出口を目指していく。途中、翼を持つ謎の少女に出会い、思いも寄らない作品を知ることになる…… おはようございます、辰井圭斗です。昨年は自主企画「辰井講評窓口2」にご参加くださりあ […]

それはあなたをうたう詩『無題』

 私は柴犬になりたい『無題』  二十歳くらいの時に、村上龍さんの『限りなく透明に近いブルー』を読みまして、  後輩にその話をする時に、「あれって青春小説だよね」と言ったんです。そうしたら、「え、米兵とドラッグとセックスがですか」と言われて、確かにその辺りが注目されやすい小説ではあると思うんですが、「いや、青春小説だよ」と。どうしようもない日常をどうしようもないと分かっていながら脱け出せない(最後に […]