ご飯が美味しそうで美味しそうで――そして『鈴蘭記念日』

 佐倉島こみかん『鈴蘭記念日

 そっと口づければ、幸福の再来の味がした。
 二人の特別な記念日には、美味しい料理と鈴蘭の花を食卓に。
 ハッピーエンドはお好きですか?




 この「ご飯が美味しそうだったで賞」を受け取ってください……優勝です……。ご飯描写だけで百万点なので、ぜひあのご飯を見るためだけにでも皆様に読んでいただきたいと思っています。空腹時に読んであまりのことに笑みが零れました。

 そして美味しいだけじゃなかったという。あのご飯描写には深い意味があったんですね。もちろんお好きだというのもあると思いますが、ご飯が美味しそうなことをこの作品が求めているんです。

 それだけでなく全編がそれこそ華奢なガラスの一輪挿しのようで、光を反射して美しい。決してきれいなばかりの話ではないはずなのに、作品を通して光は淀まず、「ああ、きれいだった」とそういう読後感でした。

 佐倉島こみかん『鈴蘭記念日